ベント

椎名桔平&遠藤憲一の芝居,パルコ劇場で。ストーリーもテーマもいいのはわかるし,エンケンの最期の仕草にはグッと来た,けれど胸に迫るものがないんだな。はぁそうですかー,って気分。

椎名桔平があまりにもアレで,ナチス強制収容所っていう極限状態が伝わってこないせいだろうかね。主役がこの有り様だから,もともとあるモロ日本人がナチス制服を着てるって違和感もますます強くなってシラーッとなるし,舞台装置の高圧電線フェンスもまるで「8時だよ!」のセットみたいに見えてきちゃう。

こういう芝居って,役者がその身体でいかに状況を創り出すかにかかってて,極端な話衣裳やら装置がなくても伝えられると思うんだが,なーんか見事悪い例になってましたな。

キッペイ様が演じたマックスは,初演ではイアン・マッケランが演じたそうで,スンバラシイものだったんだろうなー

エンケンは(ちょっと噛んでたけど)とてもヨカッタ。キッペイ様はもうご勘弁だけど,エンケンの芝居はもっと観てみたいなあ。…と思ったのでした。


女性が多いんだけど,男性には明らかにゲイと思われる服装・仕草・雰囲気の人が多くて,客層がオモロかった。