『ザ・コーヴ』にまつわるイルカ愛方面から脅されたりイルカを喰ったりした話
『ザ・コーヴ』のDVD発売に前後して世間ではいろいろなことが起こってた。日本での販売元がたぶん知らないところで,日本語吹替版動画がダウンロードできるようになってたり,舞台となった太地町の家庭にDVD-Rが怪文書よろしくポスティングされたり等々。
このダウンロード版で観た感想と,前後にあったことを書こうと思っていたけれど,震災だ何だですっかり更新から遠ざかっていた。今年のうちに書いておく。
ダウンロードできることを知って,次のようにtweetした。
『ザ・コーヴ』の日本語吹替版をダウンロード出来るみたい。落としとこう。クジラナンコツの粕漬け食べながら観たいなー / The Cove: Full length Japanese Dubbed Version http://htn.to/v8eHCk
— ohsamuさん (@ohsamu) 2月 26, 2011
この直後,安達瑶bという人からフォローされた通知メールが届いたので,確認してみるとなんとブロックされている。別にブロックされるのは構わないが,わざわざフォローして自分の存在を相手に知らしめてからブロックするところに,何か強い意志を感じて少々ゾッとした。今はtweetが途絶えているが,当時は太地町のイルカ漁反対を声高に叫んでいらっしゃった。そして,このtweetは5人にRTされているが,全員が過激な動物愛護主義者(PETAならまだしも動物解放戦線ALFとの関係がありそうな人も)。
ここまでされては余計に観たくなるね,と観た映画は噂通りの面白さとトンチキっぷりだった。イルカが自分の腕の中で自殺した等々の主張をするトンデモピープル博覧会や,太地町のイルカ漁に反対する論理にまったく一貫性が無い点など,制作者側の素顔がスケスケに見えすぎていた。アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞が授与されたのは,太地町のイルカ漁を世界に知らしめたことよりも,ここまで恣意性をさらけだして映画を作り上げたことに対してではないかと思えるほどだ。
何かを糾弾したり,強い主張を伝えるためには,その裏返しとして自分をさらけ出すことになるんだなーと思いました。
映画を観て,ますますイルカを食べてみたくなった。ぴったりのタイミングで,3/5に太地町とNPO銀鱗会の主催で「太地鯨物語」というイベントがあったので行ってきた。捕鯨関係者,くじらの博物館学芸員,水産庁職員......といった方々の講演を聴き,くじら料理を試食するものだ。
調査捕鯨の鯨肉でつくった色々な鯨料理の弁当が食べられて
念願の初イルカ肉は太地町で捕れたものだった。
イルカは不味いという話を散々聞いていたが,このスジイルカのすき焼きはとても美味しくてお替わりしてしまった。このイベント用に飛びっきりのを持ってきたのかもしれないけど,「イルカなんて不味いんだから喰わなくてもいいじゃん」みたく思ってる人には,美味しいイルカ肉を食べてみてほしいなーと思う。