御用牙

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もう無茶苦茶,チンコの1人称視点カメラなんて初めてみた。

勝新演じる同心のかみそり半蔵,冒頭こそ「不正だらけのバカヤローども,偽りの血判なんか押せるかよ」と正義感に溢れてるけど,次のシーンでは一転して垣原マー坊(殺し屋1)みたくなってる,自らをそろばん責めにしてご満悦の様子なのだ。そこを訪ねてきた上司(西村晃),そりゃ当然のように「何やってるんだ!?」と説教するんだけど,同心たるもの拷問の限界を知らなければならないと逆ギレ気味。もう,そっからキチガイまっしぐら。風呂,半蔵さんやおらイチモツを取り出し,板の上にのせて棒でドン!ドン!と叩いて鍛練開始,このチンポがかなり固いようで板はくっきりとチンポ型にへこんでる。お次は米俵に開けた穴にチンコをザクッ!と突っ込む鍛練で,ここで米の中に出入りするチンコの視点カットが出てくる。この視点は後にも出てくるんで,いかにポコチンが大切かが偲ばれるとこ。この時のBGMがまた異様で◎。

あとは西村晃がらみの事件を,このサオを使って二人の女を拷問して解決(?)していく内容。1人目は朝丘雪路(パイパンという情報を元に,ボットン便所の下から覗き見して人物特定される),最初は嫌々と言っていたものの,勝新に突かれるうちにトローンとなってきて,ピストンを止めると「やめないで〜!」と。結局何でも喋って言いなりになっちゃうという,まあ完全にイカれたファンタジーとなっております。この時も雪路の胎内に入っていく勝新自身視点のカット(ぼやーんと赤橙色に光ってる)が挿入・インポーズされたりして呆れるやら。雪路は西村晃の愛人,コトの真相を知った勝新にあんたとは穴兄弟,兄さんお世話になりますとイヤミを言われて返す言葉が「あぁ,よろしくな」。あんな大仰な顔と芝居(ティム・バートン映画に出てくるクリストファー・ウォーケンみたいな感じか?)でコレよ,最高。

2人目(渥美マリ)への拷問も凄い。立て膝で座った形で網に入れられ天井から吊され,子分たちの操作で横たわった勝新のソコに降ろしたりあげたり。まあ最初こそ嫌がってるわけだが,ソコを中心にクルクルクルクルと回転させられるうちやっぱり「やめないで〜!」。全部喋った上に,勝新の家に住むと言い出す惚れ様。これまた男のファンタジーに仕上がってます。

そんな具合で結局町方である半蔵に大奥へのパイプが出来るんだけど,それはそこでオシマイ。急にとってつけたようなエピソードが始まる。勝新,姉弟と病に苦しむ余命いくばくもない親父に出会う,姉はいっそ自分が親父を殺して楽にしてあげたい・でも親殺しへの刑は磔獄門…と心を痛めている,おや?人間の尊厳とか安楽死問題を盛り込んでるのかな?と思う間もなくスパッと解決されてしまう。で,呆気にとられるうちに勝新が江戸の古地図の上を歩くシーンでTHE END。

と,ネタバレというかほとんど内容を書いたんだけど,とてもじゃないこの映画のイカレっぷりには届かない。勝新って狂気を現実にする男だなあと思いました,ホント。しかしその「牙」に隠した大麻のせいで「御用」となるなんて,本人も想像してなかったことだろう。やっぱり男は「もうパンツは履かない」だな。