恋するナポリタン「亀の股間は腹12分目」フィルムパートナーズ
※本文中,亀治郎を亀次郎と書き間違えていました。
50円でみてきた。詳しい内容は柳下さんのところと破壊屋さんのところを読めばわかる。ランチパック チーズが香るナポリタンスパゲティが無かったので焼き鳥マヨネーズを食べ,腹八分目にして映画に臨んだ。
公式サイトのキャスト・スタッフ紹介ページをみると,俳優陣・監督・脚本家の紹介文には関連作品や事実をならべているのに比べて,プロデューサーのソレは文章量も多く絶賛が目立つ。これは"Katie NOMA"こと野間清恵プロデューサーの映画に違いない。
ケイティーは大ヒット作『キサラギ』のプロデューサー。これ映画館でみたけど,もうまるで面白くない。行間を読み取らせたり余韻を残したりが皆無で,張られる伏線はストレート過ぎてセリフで全部説明しちゃう...作ってる人がバカなのか,それとも観客をバカだと思ってるのか...
『恋するナポリタン』もとってもケイティー作品。「恋も仕事も腹八分目」フィルムパートナーズ,映画のテーマが「恋も仕事も腹八分目」なのかと思っていたら,フィルムパートナーズの皆様が「恋も仕事も腹八分目」気分で作るという合言葉だったらしい。腹八分目気分でつくられた映画がいったい腹何分目になるんだろう?
まず「料理」が重要なのにどうも美味しさが伝わってこない。たとえば塚本高史のお店に来た客,棒読みで「おいしい!」「おいしいねー」て喋りながら料理を食べる。「アド街」とか「ぶらり途中下車の旅」に出てくる飲食店にいるサクラの方がよっぽど美味そうに食べてるよ!と,こっちの気持ちが入って行かない。『千と千尋の神隠し』のおにぎり,『機動戦士ガンダムIII めぐりあい空』のハンバーガーなんて,それ観ただけで泣いちゃうくらいなのに。
入って行かないといえば『愛の流刑地』をみたときに,最初のトヨエツと寺島しのぶの対面座位が明らかに「入ってない」動きでモヤモヤしたことがある。あのペチョペチョ言いながらアナルアナルのトヨエツほどの男が素股なんかに騙されて選ばれた殺人者になったのか?それともトヨエツに気付かせないほどの素股技術なのか?寺島しのぶ!...等々,本編を楽しむどころじゃなくなるんですね。
これと同じことが,相武紗季に対する亀次郎にも起こっていた。プロポーズまでした相手が駆けつけて泣いているのを,こんなに腰を入れずに抱きとめるのは何故だ亀次郎?モヤモヤする。腰が引ける理由を考える俺,答えはただ一つ...チンコが勃っているからだ。そういえば亀次郎,常にいやらしい顔とジットリした目付きで相武紗季をレロレロ舐めるように見つめてたよ...恋も仕事も腹八分目だけど亀の股間は腹十二分目だった!
...とムリヤリ解釈しないと納得できないくらい魂が入ってないところが多い。セックスやら食事(あと暴力も)にまつわるところに魂が感じられないと映画は本当につまんなくなる,と思う。それがとてもよく出てた映画でした。ちなみに私のいちばん好きなセックスシーンは『県警対組織暴力』の松方弘樹対池玲子です。
言いたいことならどれくらいあるかわからなくあふれてるので,腹八分目以降は続きを読むで...
ケイティーの罠
冒頭のスタッフロールでいきなり「野間清恵 -Katie NOMA-」って出る。「何なんだケイティーって?」とモヤモヤが続いて,出来不出来を別にしても結局映画を腹八分目も楽しめない。名前への疑問は腹十二分目だよ,ケイティー!
ナポリの理由
マキダイは甥に自分を「ナポリ」と呼ばせる。どんなシリアスなシーンでも「ナポリ!」と呼ばせる理由はおそらくマキダイの髪型。ふかわりょうのラジオの本でみた「石川次郎の髪型を何と呼ぶか?」というネタで「ナポリ」としていた。確かに我らがトゥナイト2の石川次郎さんとちょっと髪型似てる。ネタ元が深いよ,ケイティー!
ナイトヘッド
脳腫瘍で生きているのが不思議なナポリは劇中何度も頭痛に襲われる。『ナイトヘッド』の武田真治みたいな頭痛で,本作ではとても重要な道具。常にマキダイの演技力への不安感がつきまとう本作も,ナイトヘッドになれば何かがあると記号的にわかる,親切設計のケイティー!
Ken MOGI
映画初出演と聞き,映画料金の腹八分目くらいはKen MOGI鑑賞料として支払った人も少なくないはず。私も漏れなくそんな一人です(つまり40円)。Ken MOGIに我らが求めるものは「アハ!体験」ただそれだけ。が,死んだ鳥のような目でナポリの余命宣告を棒読みするのみ。これじゃ「ハァ...体験」せっかくのモジャモジャも腹二分目止まり。みずから一本釣りしたのに使い方を間違ってるよ,ケイティー!
生きてる証
ナポリがちょっと悩むシーンで,腹がぐぅ〜〜〜と鳴る。するとナポリ「まだ生きてるんだ」と微笑んで復活。これはアレだ,『イデオン発動篇』の名台詞,デクが言う「死ぬかもしれないのに、何で食べてんだろ?俺」を意識してる。ネタ元が深いよ,ケイティー!
使い回し
とーにかく回想シーンが多くて,全体の腹三分目くらいは繰り返し。エコだね,ケイティー!
ケイティーの宣伝ブログから耳寄り情報
- DVDはまだでるかわからないのでシネパトス銀座に観に行った方がいいですよ
- 永遠の初恋にボロ泣きするOLが確かにいるらしい
- 目覚めたマキダイを叱る宝塚発声で驚かせてくれた姉に関する劇中語られない物語が細かすぎる
- 一人一枚以上とろうとして,配布時間が遅れて怒鳴って,何か人のせいにするひとがいたと想像される神戸でのステッカー配布会
- 癒し映画だから序盤はウトウトすれば成功
- 主題歌担当エリック・マーティンも本作を観ている
- ナポリ食堂のモデルとなったお店がある
- この映画の骨子はある女性の実話で,塚本ナポリには同名の人物がいる
- 亀次郎は超リッチな設定で,湾岸に立派な店を構えているのに,相武紗季にあげた指輪は「サラリーマンの彼に、すこーし頑張ってもらえれば、買ってもらえるお値段です。」
- 予告編ラストの北王子欣也のセリフはケイティー的には謎かけだった
iPhone着メロ
こんなウンコ文を読んでいただきまして,お詫びにケイティーの謎かけセリフをiPhone着信音にしておきました。koinapo.m4r